計画地のほぼ中央に市道から水路へ向かって「通り」を設定します。
通りの長さは転回広場が不要な35mとし、突き当たりには全体の共用の場として「広場」を設けます。広場には、大きなシンボルツリー(カツラの木)を植え、木に寄り添うようにテーブル、ベンチを配置しました。
広場の地下には住戸の屋根の雨水貯水タンクを設置します。地下タンクと繋がる井戸ポンプを設置し、日常的には鳥たちが水を飲んだり、植栽の水やりに利用し、また、災害時には生活用水として利用することができます。この広場は車が入らない外部から入りづらい場所であるので、安心して子供たちが遊べる場所になります。テーブルやベンチがあることで、自然に住民同士がおしゃべりをしたり、子供たちを見守ることができると考えました。
緑が生い茂る広場で季節を楽しみながら、バーベキュー、夕涼み、星空観察クリスマス会など様々な交流が生まれることを期待します。市道からながめると、通りの奥に広場の緑が見え、ひときは大きな木が目立ちます。通りは、夏場は広場の緑で冷やされた風が通る道となり、所々に配置したベンチは、ひと休みしたりおしゃべりしたりする、小さな交流の場となります。
住戸プランは、シンプルな4間角の木造ドミノ(32坪)を基本とし、必要に応じて住まい手の暮らしにあった用途の下屋をプラスすることを考えました。また、広場を設けたことで、6区画の敷地の特徴がより明確になりました。