舞台美術について

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市川の投稿です。
少し前にお芝居を見に行ってきました。渋谷の劇場で行われた舞台で脚本が宮藤官九郎さん、演出が河原雅彦さんという最強タッグ。このふたりが関わるお芝居を見るのは初めてで、ある程度覚悟はしていましたが、想像以上にブッとんでいました。特にクドカンはあまちゃんのイメージがあったのでそのギャップに唖然としました。
あらすじは割愛しますが、実話の連続殺人事件をモチーフにしてまして、夏帆さん演じる清楚な少女が実は黒幕で、電気ショックで次々に人を殺し、死体をバラバラにするのです。それを、ギャグをはさみつつ臓物を手に持って全身血だらけでどこかの大学の大根踊りさながらミュージカル風に楽しげに踊るのです。場内は大爆笑。わけわりません。興味のある方は是非DVDを見てください。
前置きは長くなりました。そんなわけで時々お芝居を見に行くのですが、舞台美術を見るのがひとつの楽しみになっています。そのお芝居の舞台の雰囲気づくりは舞台美術で決まるわけで歴史もののお芝居ならその当時に観客がタイムスリップして覗き見しているような錯覚が起きます。

精巧につくられた舞台美術にいつも関心するのですが、私が設計する建物とは当然目的が違っていて、あくまで演出の一部なので、観客が見やすいように床は客席側に勾配があったりします。窓も当然景色見るものでなくて、窓が次の場面では絵の額になったり、暗転したかと思うと拘置所の面会窓になっていたり、舞台という限られたスペースでいろいろな場所を表現するためにいろいろ工夫されています。建築の常識とは全く違った世界を見ることができるのが本当に楽しいです。
建築の設計とは全く目的は違うので応用することはできないと思いますが、もしかしたら何かのヒントになるかもしれないと舐めるように舞台の隅々まで眺めるのでした。

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