落款印

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今回のテーマは年賀状。私は15年前から木版画を刷っています。その絵の内容ではなく、画面の端に押される落款印について述べたいと思います。

落款印は作品が出来上がったときに押される「締め」みたいなものと思い、終わりよければ全てよしではないけれど、少し気にして画材を決めました。

数年までは、一般的なインクが染み込んでいるタイプの朱肉を使っていたのだが、なんか物足りない感じがしていました。

そこで、知人を教えてもらい本場中国の朱肉を取り寄せました。その朱肉の名はズバリ「美麗」。辞書によると「人の目にとまるほど美しいこと」らしい。

やはり一般的な朱肉とは色の深みが全く違う。これだけで作品のレベルが上がったようにさえ見えてくる。

ただ、美しいものは扱いが難しいのか、とても手間がかかります。粘土ようにグニョグニョしてるので印鑑の面に朱肉を乗せすぎないようにしながら均一につけなければならないし、印鑑にハァーと息を吹きかけて朱肉を柔らかくして力強く押す必要がある。押した後もなかなか乾かない。

そんな作業を妻に手伝ってもらいながら年賀状を作るのが、毎年12月30日の我が家の風景になっています。決してこれが元旦に届かない理由とは言ってません。

つながりとてづくり 保育所オープンハウス

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この度、私が設計をさせていただいた保育所が竣工し、お施主様のご厚意によりお披露目会を開催することになりました。
すでに5月から運営は始まっておりますが、普段どのような生活が営まれているのかその様子をぜひ感じてほしいと思いましてこの季節の開催となりました。
園舎だけでなく動物小屋や様々な植栽がある豊かな園庭もお楽しみください。計画開始から3年半、保育園が歩んだ物語をご体感いただけると思います。皆様のお越しをお待ちしております。市川

日時:2019年11月17日10:00~16:00
場所:東京都東村山市

※予約制となりますので前もってご連絡の上いらしてください。その際に案内図をお送りします。
※駐車場の用意はありませんので、公共交通機関やコインパーキングをご利用ください。

11/11(日)あいらぼ建築家の家バス見学会  参加者募集中!!

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こんにちは、徳田英和設計事務所・徳田です。

今度の日曜日に開催される「あいらぼ建築家の家バス見学会」まであと数日となりました。まだお席には余裕がありますので、家づくりをご検討の方の申し込みをお待ちしております。

お申し込み・お問い合わせ  → こちらから(相羽建設)

今日は見学する3軒の家の紹介ページのご案内です。
見学会の予習にお役立てください。

●日野台の家/徳田英和(徳田英和設計事務所

100 Life | AIBA 100 Story
走って、跳んで、登っちゃおう! 「五感を使って楽しく学べる家」 体を動かしながら学べる、アスレチックのような住まい

●ネストハウス/島田貴史(しまだ設計室

100 Life | AIBA 100 Story
小さな森のある緑色の家 大小さまざまな種類の植栽がまわりを彩る住まい

●稲城の家/市川淳(市川設計

ainoha 11月号 vol.83
まちにひらいたギャラリーのある家

「建築家設計の家」バス見楽会
日付 11月11日(日)
時間 12:10-17:00頃
会場 集合場所:相羽ワークス
…東京都東村山市青葉町1-25-14 >案内図
定員:40名(予約制)
参加費:無料
*集合場所には駐車場がございます。

【当日スケジュール】—————
■12:10
相羽ワークス集合
マイクロバスに分乗し3軒の住宅を見学
■17:00頃
相羽ワークス解散
———————————-

*相羽ワークスには駐車場がございます。
*所要時間は当日の交通状況により遅くなることがあります。
*昼食は済ませてからご参加ください。

徳田英和
hidekazu.tokuda@gmail.com
徳田英和設計事務所
171-0031東京都豊島区目白3-8-6吉村ギャラリー2F
TEL 03-3954-6161
読んで楽しい家づくりの なるほどディテール。
(島田貴史・徳田英和共著 オーム社)発売中!!

舞台の空間

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時々お芝居を観に劇場へ足を運びます。幕が上がる前に(実際に幕があったら描けないけど)必ず舞台装置をスケッチすることにしています。

今回は竹中直人さんと生瀬勝久さんの最強コンビが主演ということでチケットを迷わず即買い。このお二人が主演だし、題名が「火星の二人」なのでハチャメチャな喜劇かと思いきや重い人間模様を表現した内容でじっくり観る雰囲気でした。

詳しい内容は割愛しますが、そんな人間模様の表現する舞台装置が一軒屋になっていました。

スキップフロア状にリビング、ダイニング、書斎をメインに、玄関、階段なども含め客席から全てを観ることができる設計。お芝居の流れのなかで役者が巧みに空間を移動しながら物語が進んでいきます。場面転換があまりなく、空間の移動がその役割になっていて物語がとぎれることなく進む印象でした。

場面転換では外壁というかファサードがサッと降りてきて一瞬にして庭空間ができて庭先での会話場面になったりします。その外壁には窓があって、照明の演出によって夕方の庭から窓越しに一家団欒が覗き見しているような雰囲気になったりします。ひとつひとつの場面が舞台装置と照明演出によって一気に観るものをその空間に引き込んでいるよう感覚でした。

物語を演出することを目的にした装置は同じ一軒屋でも当然ながら普段私が設計している設計手法とは全く別の観点から設計されていて、舞台装置のデザインは楽しいだろうななんて味わったことのない経験に想いをはせながら考えながら見てました。

 

台湾のアーケード

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台湾に街並みの大きな特徴としてアーケードがあります。詳しくは分かりませんが建築する際の法律で設置が義務付けられているようで、通りに面したビルには必ず設けられています。

アーケードを形成するために1階部分の一部を独立柱によるピロティにするため、地震国でもある台湾でたびたび発生する大地震によってビルが倒壊する報道を目にします。

でも、実際に訪れてみて多彩で有効な用途に驚きました。アーケードはあくまでその建物の敷地内、つまり私有地なので、シチュエーションによって使われ方が大きく違っていてその場所の個性がでています。

それ以前に、台湾は亜熱帯なので雨期の台風や夏の日差しからも人通りを守ってくれます。不運にも私の旅行滞在期間中、台風直撃でずっと暴風雨だったのですがアーケードの下を雨宿りしながらなんとか旅行を楽しめました。

次回はアーケードの使われ方についてもう少し書きたいと思います。

木製のカップ

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「あたたかい」がテーマということで、最近の小さなあたたかい体験です。

知人から木製のコーヒーカップをいただきました。いただいてからしばらく食器棚に置きっぱなしなっていたのですが、なんとなく使い始めてみました。

それがとてもいい!

木製の食器自体一般的に存在しますし、私もとっても身近なアイテムですが、木製のコーヒーカップは初めての経験でした。口をつけたときの触感が金属製や陶磁器にはないとても暖かくてやさしいのです。普段お味噌汁をいただくときは木製のお椀を使いますが、どちらかというと飲む行為より食べる行為がメインなので気がつきませんでした。コーヒーカップは当然飲む行為のみなので口をつけたときの感覚がとても大切になるということなのでしょう。

さらに、とても軽いので、指先だけで持ち上げるコーヒーカップでも楽に持ち上げられます。

そんなわけで、普段飲まないカプチーノを淹れて撮影。

表札

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先日、竣工した住宅の表札を取付つけました。竣工と言っても竣工から取付までかなりの時間か経過してしまったため住まい手さんには大変迷惑を掛けてしまいました。

表札のデザインはいつもその住宅のためだけのオリジナルとしています。それは長い期間、住まい手さんと話ながら共につくりあげた思入れのある住宅に対し、最後の締めくくりの挨拶のように感じていまして、表札づくりの作業を大切にしています。
それは、描き終わった絵の片隅にサインをするのに似ているのように思いました。

秩序

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お題がアプローチということで本来はパブリックエリアからエントランスまでの動線のことを指していると思います。

今回私は若干こじつけではありますが、設計の「アプローチ」をフリーにしたらどうなるかを自分なりに考察したアートを紹介したいと思います。予算や構造、法規などの要因をフリーに考え、形態だけを主眼に置いて作ったレリーフを作りまして、立体アートの展示会に出品しました。

前述したような要因を考慮して図面化するのが設計ですが、それらをすっ飛ばして本能のままに立体を構築してみました。本能のままと言ってもどこか建築らしさだったり法則性を意識してしまうものなのだと気付き、題を「秩序の考察」と名付けました。

ちなみに68,000円。

目地

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月後半はフリーテーマということで、先日、金沢に行ったときのお話しをします。

いろいろ見学しましたが、谷口吉生さん設計の鈴木大拙館を拝見しての感想です。鈴木大拙さんという宗教学者の記念館で、ライブラリーのほか瞑想するための空間があり、造作のディティールが無く厳粛と緊張が空間を支配した建築です。

中でも驚いたのは目地の計画でして、約600mmを基準にした目地がプランのすべてを支配していて、床タイル、池底のタイル、天井、池の周りのRC塀の目地が完全に揃っていました。600の1.5倍、2倍、3倍のピッチで寸法が決まっているようでした。

そのタイルの目地に合わせて、わざわざ建具の敷居の石にまでV目地を彫っていました。執念すら感じます。

設計初期から目地計画が検討され、かなりの量の施工図を描き、完全にコントロールされた現場監理がなせる業で、結果、この努力が緊張感のある空間を可能にしたのだと思います。

勉強になりました。。。