鎌倉 やぐらのある住宅

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お久しぶりです、ツバキハウス 椿です。
先日「東京のちいさな美術館めぐり」という本を出版されているフリーライターの浦島茂世さんが企画した、鎌倉の「やぐらのある美術館になる予定だったノーマン・フォスター設計の建物見にいこうぜ会」に友人の誘いで参加してきました。
ここは、中世は無量寺という寺があり、その後刀工綱廣の屋敷、大正時代には岩崎小弥太の別荘があり、2004年にイギリスの建築家、ノーマン・フォスター設計の美術館とする計画もあった住宅が建設され、その後鎌倉市の所有となり(仮称)鎌倉歴史文化交流センターとして公開されることになっているそうです。
(現在、見学させてもらうにはいくつかの条件があるようです)
鎌倉にノーマン・フォスター設計の住宅があるということにもちょっと驚いたのですが、この門の前は何度か通ったことがある!という場所でした。


入った瞬間からスケールの大きさに驚いたわけですが、石の壁に光ファイバーがしこまれている通路を通り・・・

遺跡をのぞむリビング(なのかな?)に向かいます。

廊下の突き当たりや

地下のプールからも「やぐら」が見えます。

室内に外部を取り込んだ家・・・とかよく言いますが、室内に遺跡を取り込んだ家というのは、初めてお目にかかりました。
やぐら(鎌倉の周辺にある鎌倉時代中期以降から室町時代前半にかけて作られ、または使用された横穴式の納骨窟または供養堂である。 現在では風化で苔むした洞穴にしか見えないが、建立当時の内装は豪華である。by Wikipedia )は興味深く大好きなんですが、共生するにはちょっと怖いかも・・・

上の広場では、子供たちのワークショップをやったらどうかなど検討がされているとのことでした。(3つの穴はやぐらではなく、防空壕などとして掘られたものだそうです)
建物背後の山に登り見下ろすと建物の形がよくわかります。

遺跡は後世にいろいろ改変されているようで、フォスターの設計時も手が加えられていますが、現代建築と「やぐら」の組み合わせ、大変おもしろかったです。室内のディテールにも様々な工夫がありました。
この建物を活用し鎌倉歴史文化交流センターとしてオープンすることは、とてもよいことだと思います。ただ観光客でにぎわうと、この静寂さや神秘性みたいなものは失われるだろうなと思いました・・・両立は難しいですね。
最後に庭内にしだれ桜が植えられていましたが、切土した影響で元気がなくなりハリーポッターの暴れ柳みたいになっていました。

竣工時のすばらしい姿がフォスター事務所のHPで見られます。

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