愛される建築とは

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一年半も前のことになるが三軒茶屋でお芝居を観た。
タイトルは「解体されゆくアントニン・レーモンド建築旧体育館の話」。特に好きな役者さんや作家さんの作品というわけではなくタイトルだけが気になって切符を買った。スケッチは開演直前の舞台。

名建築の保護運動に関わった青春サクセスストーリーかと思ったら、レーモンドの建築は直接関係がなく、若い女性のキャストやスタッフが創ったお芝居で、大学時代の思春期の成長心理を掘り下げたお話。友情や将来の悩みのなかで失うものを消えゆく建築にオーバーラップして描いた内容だった。よって劇中にはレーモンド建築の具体的な意匠や歴史の説明はほとんどない。こんな解説では劇の内容が全く分からないと思うがご了承いただきたい。
ひとつ間違いないのはレーモンドの建築が想い出を内包する器として大切にされていたということだ。そのような建築物は世の中にどのくらいあるのだろうか。建築されてから10年後、20年後、そして解体されるときまで人々に影響し続けて、愛される建築とはどのような建築なのだろうか。簡単に分かる問題ではないが、そのことをちょっとでもイメージして設計することは大切かもしれないと思うのだ。
それにしても三谷幸喜さんやクドカンさんが創ったお芝居を観ることが多く彼らも結構破茶滅茶と思っていたが、20代の若い方の作品は難解で、ついてくのがやっとの状態だった。

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